【BMWのリセールが強いモデルは?】中古市場で人気の高い車種ランキング(2025年版)

シルキーシックスと称される滑らかなエンジンフィール、後輪駆動(FR)へのこだわり、そして、ドライバーとクルマが一体となる「駆けぬける歓び」。BMWは、単なるプレミアムブランドではありません。それは、走りの純粋性を追求するドライバーのための、究極のドライビングマシンを創り続ける、孤高のエンジニア集団です。
その情熱は、中古車市場においても絶大な価値を持ちます。しかし、BMWのラインナップは多岐にわたり、全てのモデルが同じように高い資産価値を維持するわけではありません。時代を象徴する革新性、モータースポーツでの輝かしい血統、そして生産台数の希少性。これらの要素が複雑に絡み合い、一部の特別なモデルは、時間と共に価値を高める「走る資産」へと昇華していくのです。
ここでは、国内外のオークションや中古車市場の最新動向を参考に、「リセールが強い」と言われるBMWの中から、特に傑出した価値を持つモデルをランキング形式で、その理由と共に深く掘り下げてご紹介します。
注意
- • 本ランキングは、クラシックモデルやMモデルを含む中古車相場・専門家のレポート・ファンコミュニティの評価などを踏まえた推定です。
- • 年式・走行距離・コンディション・限定生産の有無などによって価格は大きく変動します。あくまで目安としてご覧ください。
目次
第1位:E30 M3

“神格化”された、初代M3という名の伝説
• 特徴: 1985年、ドイツツーリングカー選手権(DTM)をはじめとする、当時のグループAレースを制覇するためだけに生まれました。ブリスターフェンダーで拡げられたアグレッシブなフォルム、高回転までシャープに吹け上がる2.3L直列4気筒エンジン。その全てが、「勝つ」というただ一つの目的のために設計された、ホモロゲーションモデルです。
• リセールの強さの理由:
- モータースポーツの血統と、輝かしい戦績: E30 M3は、その生涯で500以上のレースタイトルを獲得したと言われ、「世界で最も成功したツーリングカー」として、その名を自動車史に刻んでいます。この輝かしい歴史こそが、E30 M3を単なる古いクルマではなく、永遠の伝説へと昇華させている最大の理由です。
- コレクター市場での絶対的な地位: クラシックBMWの中でも、その人気は別格です。特に、アメリカの「25年ルール」による輸入解禁以降、世界中のコレクターによる争奪戦が激化。日本国内に残された、状態の良い個体は、もはや「言い値」で取引されるほどの、究極のコレクターズアイテムとなっています。
- アナログなドライビング体験: 現代の電子制御に溢れたクルマとは対極にある、ドライバーの腕が試される、ダイレクトで純粋なドライビングフィール。このアナログな操作感こそ、現代のクルマ好きが求める、失われた「駆けぬける歓び」の原点なのです。
第2位:BMW M1

BMWが創り上げた、唯一無二のミッドシップ・スーパーカー
• 特徴: 1978年、当時隆盛を誇ったグループ4/5レースで、ポルシェに対抗するために開発された、BMW史上初にして、現在に至るまで唯一のミッドシップ量産スーパーカー。ジョルジェット・ジウジアーロによるシャープなウェッジシェイプのデザイン、そして、名機M88型シルキーシックス(直列6気筒)エンジンを、ドライバーの背後に搭載しています。
• リセールの強さの理由:
- 「BMW唯一」という、絶対的な希少価値: その後のBMWは、FR(フロントエンジン・リアドライブ)を基本とし、二度とミッドシップのスーパーカーを量産することはありませんでした。この「唯一無二」という事実が、M1の価値を絶対的なものにしています。
- 極端に少ない生産台数: レースのレギュレーション変更など、様々な不運が重なり、総生産台数はわずか450台程度と言われています。そのほとんどが、世界中のコレクターのガレージで眠っており、市場に出てくること自体が、一大ニュースとなるほどの希少性です。
- 歴史的・芸術的価値: M1は、単なる速いクルマとしてだけでなく、アンディ・ウォーホルがペイントを施した「アートカー」のベースとなるなど、芸術的な文脈でも高く評価されています。その資産価値は、もはや中古車ではなく、現代アートの領域に達しています。
第3位:E39 M5

羊の皮を被った狼 ― 史上最高のスポーツセダンという評価
• 特徴: 1998年に登場した、3代目のM5。5シリーズ(E39型)という、エレガントなセダンのボディに、400馬力を発生する4.9Lの自然吸気V8エンジンと、6速マニュアルトランスミッションを組み合わせた、「羊の皮を被った狼」の代名詞的存在。その完成度の高さから、世界中の自動車評論家に「史上最高のスポーツセダン」と、今なお称賛される名車です。
• リセールの強さの理由:
- NA V8エンジン+MTという、失われた黄金の組み合わせ: 現代のダウンサイジングターボや、オートマチックが主流となる中で、E39 M5が持つ、大排気量自然吸気V8エンジンと、マニュアルトランスミッションという組み合わせは、もはや二度と現れることのない「絶滅危惧種」です。このノスタルジックな魅力が、近年、世界的に再評価されています。
- アナログとデジタルの完璧な融合点: 過剰な電子制御に頼ることなく、ドライバーの腕が試される“アナログ感”と、日常的な快適性を両立した、最後の世代であると言われています。この絶妙なバランスが、熱狂的なファンを生み出しています。
- ネオクラシックとしての価値上昇: 2000年前後に製造されたクルマは「ネオクラシック」として、世界的な人気が高まっています。E39 M5は、その中でも代表格であり、状態の良い個体の価格は、ここ数年で急騰しています。
第4位:BMW i8

時代を10年先取りした、未来から来たコンセプトカー
• 特徴: 2014年、BMWの電動化技術を示すサブブランド「BMW i」のフラッグシップとして登場した、プラグインハイブリッド・スポーツカー。カーボンファイバー製の骨格、蝶のように跳ね上がるシザードア、そしてまるでコンセプトカーがそのまま公道を走り出したかのような、未来的なデザイン。その全てが、当時の自動車業界に衝撃を与えました。
• リセールの強さの理由:
- 唯一無二のデザインと存在感: i8のデザインは、登場から10年以上が経過した今なお、全く色褪せることがありません。その圧倒的な存在感は、他のどのスーパーカーにも似ていない、独自の価値を放ち続けています。
- 生産終了による希少価値: 2020年に生産が終了し、直接的な後継モデルが存在しないため、その希少価値は年々高まっています。
- 歴史的マイルストーンとしての価値: BMWの電動化時代の幕開けを象徴する、歴史的な一台として、将来的にはクラシックカーとして評価される可能性を秘めています。「あの時代に、こんなにも先進的なクルマが存在した」という、技術史の証人なのです。
第5位:M2(F87)

“現代のE30 M3”と称される、究極のファン・トゥ・ドライブマシン
• 特徴: 2016年に登場した、Mモデルの中で最もコンパクトなモデル。小さな2シリーズクーペのボディに、パワフルな3.0L直列6気筒ターボエンジンと、M4譲りの足回りを詰め込んだ、まさに「小さなマッチョ」。そのコンパクトさゆえの、人馬一体となる運転の楽しさは、多くのジャーナリストから「初代M3の再来」と絶賛されました。
• リセールの強さの理由:
- 純粋なドライビングプレジャーへの渇望: 車体が大きく、重くなっていく現代のMモデルの中で、F87型M2が持つ、軽量・コンパクト・FRという古典的なパッケージングは、純粋な走りを愛するエンスージアストから、絶大な支持を得ています。
- 「M2コンペティション」の登場による相乗効果: 後に、より高性能な「M2コンペティション」が登場したことで、M2全体のブランドイメージが向上。標準のM2も、中古車市場で非常に高い人気を維持しています。
- 手の届く「M」としての盤石の需要: M3やM4よりも比較的手頃な価格で、「本物のM」の走りを楽しめるため、中古車市場での需要が非常に安定しています。
その他、資産価値が注目されるモデル
• M4 GTS: M4をベースに、サーキット走行に特化した、世界700台限定のハードコアモデル。その希少性と性能から、コレクターズアイテムとして非常に高い価値を維持しています。

• Z8: 伝説の名車「507」を現代に蘇らせた、ネオクラシック・ロードスター。E39 M5と同じV8エンジンを搭載。その美しいデザインと、約5,700台という希少性から、近年価格が急騰している一台です。

あなたのBMWの価値を最大化する売却戦略
数々の伝説を持つあなたのBMW。その価値を、1円も損することなく、最大限に引き出すためには、売却先に「専門家」を選ぶことが絶対条件です。
一般的な買取店では、あなたのE39 M5が持つ歴史的価値も、M2が持つ純粋な走りの価値も、正しく評価することは不可能です。彼らにできるのは、自分たちのリスクを避けるために、オークション相場からマージンを差し引いた、低い金額を提示することだけです。
私たちモビックは、BMWのような特別なクルマの価値を、誰よりも深く、そして正しく評価する専門家集団です。私たちは、国内相場だけでなく、世界中のコレクター市場の動向を常に把握し、あなたの愛車が持つ「国際市場価値」に基づいた、最高の価格を提示します。高額資産の取引にふさわしい、安心・安全なプロセスで、あなたの情熱にお応えすることをお約束します。
まとめ
- E30 M3やM1といった、モータースポーツの歴史に名を刻む、極めて希少なクラシックモデルは、もはや「動く文化遺産」として、別格の資産価値を持つ。
- E39 M5やM2といった、比較的近年のモデルも、その唯一無二のドライビング体験と、熱狂的なファンに支えられ、中古車市場で非常に高い人気を維持している。
- BMWのリセールは、「M」というブランドの魔力、生産台数の希少性、そして、そのクルマが持つ「物語性」が、価値を大きく左右する。
BMWのリセールバリューは、単なるスペックや性能だけでは測れません。そのクルマが、どのような哲学のもとに生まれ、どのような歴史を紡いできたか。その「情熱」と「物語」を正しく理解し、敬意を払うこと。それこそが、BMWという特別なブランドと付き合う上での、最も重要な作法なのです。
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