車の買取査定で「走行距離」はどこまで影響する?距離別の目安と高く売るコツ

愛車の売却を考えた時、誰もが気にする2大要素。それが「年式」と、そして「走行距離」です。
「私のクルマ、もう10万kmも走っているから、値段なんて付かないだろうな…」
「走行距離が多いと、査定額が大幅に下がるって聞くけど、本当?」
そんな、走行距離に関する不安や疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。確かに、車の買取査定において走行距離は、その価値を測る上で、極めて重要な指標です。しかし、話はそう単純ではありません。「走行距離が多い=価値がない」と諦めてしまうのは、あまりにも早計で、そして、もったいないことなのです。
この記事では、中古車査定における「走行距離」というテーマを、プロの視点から徹底的に解剖します。
- なぜ、走行距離が査定額にこれほど大きな影響を与えるのか?その根本的な理由
- 「5万kmの壁」「10万kmの崖」と呼ばれる、査定額が大きく動く“境界線”
- 走行距離が多くても、査定額を最大限に引き上げるための、具体的な戦略
- そして、走行距離という“数字”の裏側にある、本当の価値を見抜く専門家の視点
を、どこよりも詳しく、そして分かりやすく解説していきます。この記事を読み終える頃には、あなたは走行距離という数字に惑わされることなく、あなたの愛車が持つ真の価値を、自信を持って主張できるようになるでしょう。
目次
1. なぜ走行距離が買取査定にこれほど影響するのか?3つの本質的な理由
走行距離とは、「その車が、地球上でどれだけの距離を移動してきたか」を示す、動かぬ証拠です。これが査定に大きな影響を与えるのには、3つの本質的な理由があります。
理由①:クルマ全体の「消耗度・疲労度」を示す、最も分かりやすい指標だから
自動車は、約3万点の部品からなる精密機械の集合体です。そして、その部品のほとんどは、走れば走るほど、確実に劣化し、消耗していきます。
- エンジン・駆動系:ピストンやベアリングは摩耗し、トランスミッションにも負荷が蓄積します。
- サスペンション・足回り:ショックアブソーバーやブッシュ類は、路面からの衝撃を吸収し続けることで、徐々にその性能を失っていきます。
- ブレーキ:言うまでもなく、走行距離に比例して、パッドやローターは摩耗します。
査定士にとって、走行距離は、これらの目に見えない部品の消耗度を推測するための、最も客観的で、信頼性の高い指標なのです。走行距離が多ければ多いほど、中古車として再販する前に交換・整備が必要になる部品が増えるため、そのコストをあらかじめ査定額から差し引く必要が出てきます。
理由②:交換時期が決まっている「重要部品」の存在
車の部品の中には、「10万kmごと」といった、走行距離を目安に交換が推奨されている、高額な重要部品が存在します。その代表格が「タイミングベルト」です。(※現在はタイミングチェーン式が主流となり、交換不要の車種が増えています)
例えば、査定する車の走行距離が「9万5000km」だった場合。査定士は、「このクルマは、あと5000kmで、高額なタイミングベルト交換が必要になるな」と判断します。そして、その数万円から十数万円に及ぶ交換費用を、あらかじめ査定額から減額するのです。このように、特定の走行距離が、具体的な整備費用と直結していることも、査定額に影響する大きな理由です。
理由③:次の買い手の「心理的なイメージ」
これが、意外にも最も大きな影響を与える要因かもしれません。中古車を購入する一般のユーザーは、やはり「できるだけ走っていない、新しいクルマ」を求める傾向が非常に強いです。 「走行距離5万km」と「走行距離10万km」では、たとえ車の状態が同じでも、買い手が抱く「これから、どれくらい安心して乗れるか」という心理的なイメージは、全く異なります。
買取業者は、次の買い手を見つけて初めて利益が出ます。そのため、買い手が敬遠しがちな「多走行車」は、「なかなか売れないかもしれない」というリスクを抱えた商品となります。そのリスク分が、査定額に反映されてしまうのです。
2. 査定額が動く“境界線”とは?走行距離別の評価目安を徹底解説
買取業者は、いくつかの「境界線」を意識して、走行距離を評価しています。あなたの愛車が、今どのステージにいるのか、確認してみましょう。
走行距離の目安 | 査定評価と市場での見られ方 |
---|---|
~3万km | 【極めて高評価】新車に近いコンディションと見なされ、査定額も非常に高くなります。「新古車」や「低走行の極上車」を探している層からの、強い需要があります。 |
3万~5万km | 【高評価】中古車市場で、最も人気の高いボリュームゾーン。特に3年落ち・5年落ちといった節目と重なることが多く、需要と供給のバランスが良いため、安定した高値が期待できます。 |
5万~8万km | 【標準的な評価】一般的な中古車としての評価です。ここから、内外装の綺麗さや、整備履歴といった「個体差」が、査定額に大きく影響し始めます。 |
8万~10万km | 【減額傾向が強まる】「そろそろ、あちこち消耗品交換が必要になる頃」と見なされ始め、査定額は徐々に厳しくなります。しかし、まだまだ十分に価値は残っています。 |
10万km超 | 【大幅な減額対象】多くのユーザーが心理的な抵抗感を覚える「10万kmの壁」。タイミングベルトなどの高額な交換部品の時期とも重なるため、査定額は大幅に下落します。ここから先は、「いかに価値を維持してきたか」が問われる領域です。 |
【例外】10万kmを超えても価値が落ちにくい、あるいは上がるクルマ
ランドクルーザーのような極めて耐久性の高いクロカン車、ハイエースのような商用車、そして、スカイラインGT-Rのようなクラシックカー/希少車は、この法則の限りではありません。これらは、独自の価値基準で評価されます。
3. 【重要】年式とのバランスが価値を決める!「1年1万km」の黄金律
走行距離の価値は、単独で決まるわけではありません。必ず、「年式」とのバランスで見られます。
中古車業界には、「1年間の標準的な走行距離=1万km」という、一つの黄金律が存在します。
- 標準より走行距離が短い場合(例:5年落ちで3万km)
これは、明確なプラス査定の対象です。「年式の割に、あまり走っていない、状態の良いクルマ」として、高く評価されます。 - 標準的な走行距離の場合(例:5年落ちで5万km)
その年式における、標準的な評価となります。 - 標準より走行距離が長い場合(例:5年落ちで8万km)
これは、「過走行」と見なされ、マイナス査定の要因となります。「年式の割に、かなり酷使されてきたクルマ」という印象を与えてしまいます。
逆に言えば、年式が古いクルマ(例:10年落ち)でも、走行距離が5万km程度であれば、「低走行車」として、年式の古さをカバーするほどの高い評価を得られる可能性もあるのです。
4. 走行距離が多くても高く売る!査定士の心を動かす4つの秘訣
「自分のクルマは、過走行だからもうダメだ…」と、諦めるのはまだ早いです。以下の4つの秘訣を実践すれば、走行距離というマイナス要素を、十分にカバーすることが可能です。
秘訣①:最強の武器「メンテナンスノート」を提示する
過走行車を査定する際、査定士が最も気にするのは「ちゃんと整備されてきたか?」という点です。その不安を払拭する最強の武器が、「メンテナンスノート(整備記録簿)」です。ディーラーや整備工場での、定期的な点検やオイル交換の記録が完璧に残っていれば、「このクルマは、距離は走っているが、しっかりと管理されてきた健康なクルマだ」という、絶大な信頼感を査定士に与えることができます。これは、何よりのプラス査定要因です。
秘訣②:内外装を“新車のように”磨き上げる
走行距離という「過去」は変えられませんが、「現在」の状態は変えられます。徹底的な洗車と車内清掃で、内外装をピカピカに磨き上げましょう。清潔で、大切に扱われてきた印象は、「走行距離が多くても、このコンディションなら大丈夫だ」という、査定士の心理的な安心感に繋がり、査定額にプラスに働きます。
秘訣③:「多走行車」の価値がわかる業者を選ぶ
買取業者の中には、独自の海外輸出ルートを持っている会社があります。日本車は海外で非常に人気が高く、「丈夫で、壊れにくい」という絶大な信頼を得ています。そのため、日本では「過走行」と見なされる10万km、20万kmを超えたクルマでも、海外では「まだまだこれから」の現役選手として、高値で取引されるのです。こうした海外販路を持つ専門業者を選ぶことが、多走行車を高く売るための、最も重要な戦略です。
秘訣④:プラス査定となる「アピールポイント」を伝える
「最近、高価なタイヤに交換したばかり」「ディーラーで、〇〇の部品を新品に交換した」といった、プラス査定に繋がる情報は、自分から積極的に伝えましょう。査定士が見逃している、価値あるポイントに気づかせることができるかもしれません。
5. モビックが「多走行車」の“本当の価値”を見抜ける理由
あなたの愛車のメーターが、10万km、15万kmという数字を刻んでいたとしても、諦める必要は全くありません。
希少車・不動車買取のモビックでは、走行距離が多い車や、年式が古い車も、その価値を正しく評価し、積極的に高価買取しています。
- 理由①:世界中に広がる、独自の販売ネットワーク
私たちは、日本国内だけでなく、世界中に広がる独自の販売ネットワークを持っています。日本市場では価値が低いと見なされる多走行車でも、それを「最高の相棒」として求めている、海外の国や地域のバイヤーに、直接届けることができます。だからこそ、国内相場に縛られない、高い価格での買取が可能なのです。 - 理由②:豊富な知識と、経験に裏打ちされた査定力
私たちの査定士は、単に走行距離という数字を見るだけではありません。「この車種は、このくらいの距離を走っていても、エンジンはまだまだ元気だ」「このメンテナンス記録があれば、全く問題ない」という、豊富な知識と経験に基づき、あなたの愛車の“本当の健康状態”を見抜きます。 - 理由③:どんなクルマにも、価値を見出す姿勢
たとえ過走行で、エンジンが不調だったとしても、そこには「部品」としての価値や、「資源」としての価値が眠っています。モビックは、どんな状態のクルマでも、その価値を最大限に引き出すための、多様な出口戦略を持っています。
ディーラーや、一般的な買取店で「この距離では、値段は付きませんね…」と、悲しい宣告をされたあなたへ。 ぜひ一度、モビックにご相談ください。あなたの愛車に眠る、最後の価値を、私たちが見つけ出します。
6. まとめ|走行距離は重要。しかし、それが全てではない
車の買取査定において、走行距離が極めて重要な指標であることは、紛れもない事実です。 しかし、それが、あなたの愛車の価値の全てを決定づけるわけではありません。
- ✔ 年式とのバランスはどうか?
- ✔ 内外装の状態は、綺麗に保たれているか?
- ✔ これまでの整備は、しっかりと記録されているか?
- ✔ そして、その価値を正しく理解してくれる、最適な買取業者を選べているか?
これらの要素が、走行距離という一つの数字を、時には凌駕するほどのインパクトを与えるのです。
あなたの大切な愛車を、少しでも高く、そして納得して手放せるように──。 正しい知識と、賢い戦略で、後悔のない売却を目指しましょう!
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