【普通車の車検費用はどのくらい?】知っておきたい基本内訳と相場

愛車を所有する上で、定期的に避けて通れない、大きな出費と手間。それが「車検(自動車検査登録制度)」です。新車登録から3年後、以降は2年ごとに必ずやってくるこのイベントを前に、「今回は一体、どれくらい費用がかかるのだろう…」「思わぬ高額請求をされたらどうしよう…」と、漠然とした不安を感じている方も多いのではないでしょうか。
車検費用は、単一の料金ではありません。法律で定められた「税金」や「保険料」、そして、業者に支払う「点検料」や「整備費用」といった、様々な要素が複雑に絡み合って、最終的な金額が決定されます。この費用の内訳を正しく理解していないと、言われるがままに不要な整備を受け入れてしまったり、逆に、必要な整備を怠って後々の大きなトラブルを招いてしまったりする可能性があります。
この記事では、そんな車検費用に関するあなたのあらゆる疑問や不安を解消するための**「完全なる解説書」**として、
- 車検費用の「3大要素」とその詳細な内訳
- 車種や依頼先で変わる、リアルな費用相場
- 車検で交換されやすい部品と、その費用目安
- 今日からできる、車検費用を賢く抑えるための4つのコツ
- そして、「車検を通す」以外の、もう一つの賢明な選択肢
を、専門家の視点から、どこよりも詳しく、そして分かりやすく解説していきます。この記事を読み終える頃には、あなたはもう、車検の見積書に怯える必要はありません。自信を持って、あなたの愛車にとって最適な選択ができるようになるでしょう。
目次
1.【徹底分解】車検費用の全内訳 ―「法定費用」「車検基本料金」「部品交換費用」とは?
車検費用は、大きく分けて3つの要素で構成されています。まずは、この3つの違いを正確に理解しましょう。
1-1. 法定費用(どこで受けても金額は同じ)
法律によって定められた、必ず支払わなければならない公的な費用です。ディーラーであろうと、格安店であろうと、この金額が変わることはありません。
- 自動車重量税
• 車両の重量に応じて課税される国税です。エコカー減税の対象車や、登録から13年・18年が経過した車では、税額が変動します。
(例:自家用・2年・継続検査の場合)
・車両重量 ~1.0t:16,400円
・車両重量 ~1.5t:24,600円
・車両重量 ~2.0t:32,800円 - 自賠責保険料(強制保険)
• 次の車検までの期間(通常24か月)の保険料を一括で支払います。交通事故の対人賠償を補償する、法律で加入が義務付けられた保険です。
・普通自動車(24か月):17,650円(2023年4月1日以降の契約) - 印紙代(検査手数料)
• 国や自動車検査法人に支払う、検査や書類審査のための手数料です。指定工場か認証工場かによって、金額がわずかに異なります。
・指定工場(ワンストップサービス利用):1,600円程度
・認証工場(運輸支局に持ち込み):2,300円程度
1-2. 車検基本料金(業者によって、最も差が出る部分)
車検を依頼する業者に支払う、点検・整備・検査代行に関する、いわば“サービス料”です。ここの価格設定が、業者ごとに大きく異なります。
- 法定24か月点検料:法律で定められた56項目の点検を行うための費用。ブレーキの分解整備などもここに含まれます。
- 測定検査料:ヘッドライトの光軸や、排気ガスの濃度などを、専用の機械で測定するための費用。
- 代行手数料:業者が、あなたに代わって運輸支局で書類手続きや検査ラインを通すための手数料。
1-3. 部品交換費用(車の状態で、大きく変動する部分)
法定点検の結果、安全基準を満たさない、あるいは、次の2年間安心して乗るために交換が推奨される、部品や消耗品の代金と、その交換工賃です。この部分が、車の年式や走行距離、日頃のメンテナンス状態によって、最も大きく変動します。
2. 車検で交換されやすい部品と、そのリアルな費用相場
では、具体的にどのような部品が交換の対象となり、どれくらいの費用がかかるのでしょうか。
交換部品 | 交換費用の目安(部品代+工賃) | 解説 |
---|---|---|
エンジンオイル&オイルフィルター | 5,000円 ~ 15,000円 | 最も基本的な消耗品。車検と同時に行うのが一般的です。 |
ブレーキフルード(ブレーキオイル) | 5,000円 ~ 15,000円 | 2年ごとの交換が推奨される液体。これも車検の定番メニューです。 |
ブレーキパッド | 15,000円 ~ 30,000円(片側) | 残量が少ない場合に交換。安全性に直結する重要部品です。 |
タイヤ(4本) | 40,000円 ~ 150,000円以上 | 溝が1.6mm以下、または、ひび割れがひどい場合に交換必須。車検で最も高額になりやすい項目です。 |
バッテリー | 15,000円 ~ 50,000円 | 性能が低下している場合に交換を勧められます。 |
ドライブシャフトブーツ | 15,000円 ~ 30,000円(1箇所) | ゴム製の部品で、破れていると車検に通りません。FF車や4WD車で指摘されやすい項目です。 |
3. どこに頼むのが正解?依頼先別の車検費用とメリット・デメリット
車検を依頼できる場所は、一つではありません。それぞれの特徴を理解し、自分に合った場所を選びましょう。
- ディーラー車検:【相場:10万~20万円以上】
• メリット:メーカーの看板を背負った、絶対的な安心感。その車種に関する専門知識は完璧で、交換部品も高品質な純正品を使用。整備保証も手厚い。
• デメリット:費用が最も高額。予防整備として、まだ使える部品の早期交換を勧められることも。 - 整備工場(民間工場):【相場:7万~15万円程度】
• メリット:ディーラーに近い品質を、より安価に受けられる可能性がある。融通が利きやすく、リビルト品などを使ったコストを抑えた修理の相談にも乗ってくれる。
• デメリット:工場によって技術力や得意な車種に差があるため、信頼できるお店を見つける必要がある。 - 車検専門店(フランチャイズ系):【相場:5万~12万円程度】
• メリット:「速い」「安い」が最大の魅力。車検基本料金が非常に安く設定されていることが多い。
• デメリット:「車検に通すこと」を目的としているため、点検・整備は最低限。将来的な予防整備の観点は薄い。 - カー用品店・ガソリンスタンド:【相場:5万~12万円程度】
• メリット:手軽さ、アクセスの良さ。ポイントが付いたり、キャンペーンが豊富だったりする。
• デメリット:重整備に対応できない場合がある。アルバイトスタッフが対応することも多く、専門性に不安が残るケースも。
4. プロが教える!車検費用を賢く抑えるための4つのポイント
- 複数の業者で「相見積もり」を取る
• これが、最も効果的で重要なアクションです。同じクルマでも、業者によって整備の方針や工賃が異なるため、見積額は数万円単位で変わります。最低でも2~3社から見積もりを取り、内容と金額を冷静に比較しましょう。
- 「必須の整備」と「推奨の整備」を切り分ける
• 見積書を受け取ったら、整備士に「この中で、今回、車検を通すために“絶対に”やらなければいけない整備はどれですか?」と質問しましょう。これにより、「安全のために、今のうちにやっておいた方が良い」という推奨レベルの整備を切り分けることができ、予算に応じて整備内容を選択する余地が生まれます。
- 自分でできる簡単な整備は、済ませておく
• ウォッシャー液の補充、ワイパーブレードの交換、発煙筒の有効期限チェック、切れたランプの交換など、自分でも簡単にできる整備は、事前に済ませておきましょう。お店に頼めば、数千円の工賃がかかることもあります。
- 日頃からのメンテナンスこそ、最大の節約術
• 結局のところ、車検費用を最も安く抑える方法は、日頃から愛車のコンディションに気を配り、適切なメンテナンスを行うことです。定期的なオイル交換や、タイヤの空気圧チェックが、数年後の大きな出費を防ぎます。
5.【重要】高額な車検見積もりが出たら?「売却」という、もう一つの賢い選択肢
もし、あなたの元に届いた車検の見積書が、20万円、30万円といった、予想を遥かに超える金額だったとしたら。 一度、冷静に立ち止まって考えてみてください。
「その高額な費用を払って、本当に、あと2年乗り続けるのが最善の選択だろうか?」
特に、年式が古い、走行距離が多いクルマの場合、高額な車検は、これから始まる「故障の連鎖」の、ほんの入り口に過ぎないかもしれません。今回、大金をかけて車検を通したとしても、数ヶ月後に別の高額な部品が壊れる…という悪循環に陥る可能性も高いのです。
そんな時、極めて有効な選択肢となるのが、「車検を通さずに、今の状態のまま、クルマを売却してしまう」という考え方です。 車検にかかるはずだった20万円、30万円という費用を、次のクルマの購入資金の頭金に回した方が、遥かに経済的で、合理的であるケースは、非常に多いのです。
私たちモビックは、まさにそういった状況のお客様からのご相談を、数多く解決してきた専門家です。車検が切れてしまったクルマや、修理に高額な費用がかかるクルマでも、全く問題ありません。お客様のご自宅まで無料でお伺いし、その時点での最高の買取価格を提示します。その査定額と、あなたの車検の見積額を天秤にかけ、最も賢明な選択をする。そのお手伝いを、私たちにさせてください。
6. 費用を抑えることと、安全・安心のバランス
費用を抑えたい気持ちは、誰もが同じです。しかし、忘れてはならないのは、車検が「次の2年間、安全に車を走らせるための、国が定めた最低限の点検・整備」であるという、その本質です。
目先の安さだけを追求し、格安車検で最低限の整備しか行わなかった結果、後で重大な不具合が発生し、かえって高額な修理費用がかかってしまっては、本末転倒です。安全と予算のバランスを考慮し、信頼できる整備士としっかりと対話し、納得のいく整備を受けることが、結果的に、最もコストパフォーマンスの高い選択となるのです。
まとめ
- 車検費用の内訳は「法定費用」「車検基本料金」「部品交換費用」の3つで構成される。
- 普通車の車検相場は、依頼先やクルマの状態で、5万円~20万円以上と、大きな幅がある。
- 費用を抑える最大のコツは、複数の業者から「相見積もり」を取り、内容を比較検討すること。
- 高額な車検見積もりが提示された場合は、修理して乗り続けるだけでなく、「車検を通さずに売却する」という賢明な選択肢も視野に入れるべき。
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