【2025年10月版】 最新中古車相場・市場動向レポート

「中古車バブルは、もう終わったのか?」
「今、クルマを買うべきか、それとも売るべきか?」
2025年10月現在の日本の中古車市場は、数年前の異常な価格高騰、いわゆる「中古車バブル」のピークは過ぎ去ったものの、依然として高値圏で推移する、極めて複雑で、見通しの難しい局面を迎えています。新車の供給遅延という大きな追い風が少しずつ弱まる一方で、根強い輸出需要や、消費者の価値観の変化といった、新たな潮流が市場を形成しています。
この記事では、そんな先の読めない2025年秋の中古車市場を、「新車の納期」「輸出と国内の二極化」「マクロ経済」「モデルチェンジ」という、4つの主要な変動要因から、プロの視点で徹底的に分析・解説します。この記事を最後まで読めば、あなたが今、買い手として、あるいは売り手として、どのように行動するのが最も賢明なのか、その明確な答えが見つかるはずです。
目次
1.【最大の要因】依然として市場を支配する「新車の長納期」という現実
現在の中古車価格を高値で支え続ける、最も強力な要因。それが、依然として完全には解消されていない、新車の供給遅延です。半導体不足は最悪期を脱したものの、EV化や先進安全装備の搭載による、自動車の高度化に伴う部品需要の増加は続いており、生産は未だ正常化していません。その結果、多くの人気車種で、契約から納車まで数ヶ月から半年以上、長いものでは1年を超える待ち時間が発生しています。
この状況が、中古車市場に「代替需要」という、強力な追い風をもたらしています。「すぐにクルマが必要」な消費者は、長納期を待つことができず、即納可能な中古車市場へと、次々と流入してくるのです。
特に需要が集中するのが、登録から1~3年程度の、新車に近いコンディションを持つ、高年式・低走行の「極上中古車」です。この「すぐに手に入る」という“時間的価値”に対し、消費者は、時に新車価格に近いほどのプレミアムを支払うことを厭わないため、これらの車両価格は、異常なほどの高値で安定しているのが、2025年10月現在の市場の、紛れもない現実です。
▼ 2025年10月時点での主な新車の納期目安
以下は、各メーカーが公式に発表している、あるいは、販売店からの情報を基にした、主要な人気車種の納期目安です。(※グレードや仕様、販売店によって大きく異なります)
メーカー | 車種 | 納期目安 | 備考 |
---|---|---|---|
トヨタ | アルファード/ヴェルファイア | 5~7ヶ月、あるいはそれ以上 | 大都市部では、多くの販売店で新規の受注を停止している状況。 |
トヨタ | プリウス | 4~5ヶ月 | グレードによっては2~3ヶ月で納車されるケースも。供給は安定化傾向。 |
トヨタ | カローラシリーズ | 6~8ヶ月、あるいはそれ以上 | 特にハイブリッドモデルの納期が長く、多くの販売店で受注を停止中。 |
スバル | フォレスター | 4~10ヶ月 | ハイブリッド(S:HEV)モデルは、特に納期が長期化する傾向。 |
ホンダ | フリード | 1~6ヶ月 | ガソリンかe:HEVか、またグレードによって納期が大きく変動。 |
日産 | ルークス | 3~4ヶ月 | 比較的、納期は安定している。 |
スズキ | ジムニー/ジムニーシエラ | 11~12ヶ月、あるいはそれ以上 | デビュー以来、常に深刻な納期遅延が続いている。 |
2.【市場の二極化】あなたの愛車はどっち?「輸出向け」と「国内向け」で異なる価値基準
現在の中古車市場を読み解く上で、もう一つ、極めて重要な視点があります。それは、市場が、単一の原理では動いていない、ということです。「国内だけで消費されるクルマ」と、「海外からも買い手が殺到するクルマ」とでは、その価値基準が、全く異なっているのです。
① 輸出市場(グローバル市場):円安が追い風となり、価格が高騰・高止まり
長期的な円安基調を背景に、海外のバイヤーにとって、日本の高品質な中古車は、非常に「割安」な状態が続いています。品質と耐久性への、世界中からの絶対的な信頼を武器に、特に以下のカテゴリーの車種は、海外で絶大な人気を誇ります。
- SUV:トヨタ・ランドクルーザー、RAV4、ハリアーなど
- ミニバン:トヨタ・アルファード、ヴェルファイアなど
- 商用車:トヨタ・ハイエース、プロボックスなど
- スポーツカー:スカイラインGT-Rなどの、いわゆるJDM
これらの「輸出人気車種」は、中古車が集まるオートオークションで、海外バイヤーと国内の業者が、激しい買い付け競争を繰り広げます。そのため、国内の景気動向とは、ある意味で無関係に、その価格は、国際的な水準へと引き上げられ、高値で安定しているのです。
② 国内市場(ドメスティック市場):景気やトレンドに連動
軽自動車、コンパクトカー、一部のセダンや、輸出需要の少ないステーションワゴンなど、主に国内での使用が想定される車種群です。こちらの価格は、国内の消費者心理や、景気動向、あるいは季節要因(決算セールなど)に、正直に連動します。
特に、N-BOXに代表される軽スーパーハイトワゴンは、維持費の安さから、もはや地方の生活必需品として、景気動向に左右されない、極めて根強い需要があります。そのため、相場は非常に安定しています。
3.【マクロ経済の潮流】消費者の“財布のヒモ”は、緩むのか、締まるのか
自動車のような、人生で一、二を争う高額商品の購入は、経済全体のムードに、大きく左右されます。
- 消費者心理は、緩やかに回復基調:旅行や外食への支出が増えるなど、消費者の景況感を示す「消費者態度指数」は、2025年8月に7か月ぶりの高水準を記録するなど、持ち直しの動きが見られます。しかし、歴史的な平均値と比較すると、依然として低い水準にあり、消費者が、高額な支出には、まだ慎重な姿勢を崩していないことが窺えます。
- 物価上昇と、賃金上昇の綱引き:ガソリン価格の高止まりや、自動車保険料の値上げといった、カーライフに直結するコストの上昇が、家計を圧迫しています。一方で、2025年の春闘では、高い賃上げ率が実現し、実質賃金がプラスに転じることで、個人消費が活発化するとの期待もあります。
この「財布のヒモが、締まりも、緩みもする」という綱引き状態は、消費者をより価格に敏感にさせ、「新車は厳しいが、中古車なら…」と、初期投資を抑えられる中古車への関心を、さらに高める一因となっています。
4.【個別の時限爆弾】フルモデルチェンジ(FMC)がもたらす、価格破壊の波紋
市場全体のトレンドとは別に、個別の車種のライフサイクルも、相場に大きな影響を与えます。特に、数年に一度の「フルモデルチェンジ(FMC)」は、旧型モデルの価格を、大きく動かす“時限爆弾”です。
ケーススタディ:トヨタ・プリウスに起きたこと
2023年1月に登場した、5代目プリウス。その、これまでのプリウスのイメージを覆す、スポーティで革新的なデザインは、中古車市場に、大きな衝撃を与えました。ある調査では、モデルチェンジ後に、先代である4代目プリウスの中古車相場が、**わずか数ヶ月で、約31万円も急落**したというデータもあります。さらに、この1年で、新型である5代目プリウス自体の供給が安定し始め、中古車市場にも流通し始めたことで、中古車平均価格は、ピーク時から40~50万円近くも下落。市場全体の価格調整を促す、一つのきっかけとなりました。
今後の注目FMCモデル
2025年後半から2026年にかけて、以下の人気車種でFMCが予定、あるいは噂されています。これらの現行モデルを所有している方は、売却のタイミングを、慎重に検討する必要があるでしょう。
メーカー | 車種 | 予想時期 |
---|---|---|
ダイハツ | ムーヴ | 2025年後半 |
日産 | ルークス | 2025年後半 |
トヨタ | RAV4 | 2026年 |
日産 | エルグランド | 2026年 |
マツダ | CX-5 | 2026年後半 |
5.【結論】2025年秋、賢い消費者はどう動くべきか?
【購入】を検討しているあなたへ
市場全体としては依然として高値圏にありますが、光明も見えています。フルモデルチェンジを控えた車種の現行モデル(例えば、RAV4やCX-5など)は、今後、価格が下落に転じる可能性が高く、コストパフォーマンスを重視するなら、絶好の狙い目です。また、9月の決算セールで、ディーラーが下取りした、質の良い高年式中古車が、これから本格的に店頭に並び始める時期でもあります。品質を重視するならば、良い一台を見つけやすいタイミングとも言えるでしょう。
【売却】を検討しているあなたへ
中古車市場は、依然として、歴史的に見ても、極めて高い水準にあります。つまり、**売り手にとって、非常に有利な状況が続いている**ということです。特に、ランドクルーザーやアルファードといった「輸出人気車種」を所有している場合、その資産価値は、今がピークに近いかもしれません。
新車の供給が今後さらに正常化し、中古車市場のタマ数が増えてくれば、この売り手優位の市場が、いつ買い手優位の市場へと転換しても、おかしくありません。市況を注視しつつ、有利な条件での売却を、具体的に検討すべき、絶好の機会が続いているのです。
6. 荒れる市場だからこそ、専門家をパートナーに。モビックの強み
このように、現代の中古車市場は、様々な要因が複雑に絡み合う、極めて専門的な知識を要する市場となっています。そんな荒れる市場の中で、あなたの利益を最大化するためには、信頼できる専門家をパートナーに選ぶことが、何よりも重要です。
私たちモビックは、単にクルマを査定するだけではありません。
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